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ヤリタナゴ座談会

2012年5月27日10:30〜 神流公民館


1、座談会概要
発表
1、ヤリタナゴ保護ーヤリタナゴ生息数の激減
   (ヤリタナゴを守る会 福田耕一)
2、群馬県の在来タナゴ4種の絶滅とヤリタナゴの危機
  
 (ヤリタナゴ調査会 斉藤 裕也)
3、群馬県と埼玉県の水田用水路におけるマツカサガイ幼生の寄生魚種
   (新江ノ島水族館 伊藤寿茂)

2、 主な発言内容
(1) 水路の水切れについて
○ 水路の水切れは大変なこと。原因究明が重要。
○ 岡之郷堰の転倒の原因は不明。操作は熟練の者が継続して行っている。
○ これまでは農業用水路の一部の水が切れて魚がいなくなっても、他の生息地から魚が入るということを繰り返してきたと思うが、現状では生息地がここしかないので、失われたら戻せない。
○ 転倒堰の原因究明はしないのか。
○ 用水に依頼はした。業者の調査では機械的トラブルではないとされている。

(2) 今後の対策について
○ 生息地周辺の整備予定があるが、このような事態が発生したときに保険になるような対策が必要。
○ 生息地の複数化が解決策の一つと思う。
○ 水路に深みを作るのはどうか。
○ 深みを作るのは可能だが、毎年さらう必要がある。水量が多ければ深みができる構造を作ることもできるが、岡之郷の水量では難しい。
○ 一部でもポンプで給水できないか。
○ 水沼神社の池にポンプ(神社用)がある。通年で稼働させると電気代が8万円ほどかかる。
○ 緊急時には神社の池の水を流して対応している。
○ 水路の水が少なくなったとき、下流の水路の水はなくなるのか。
○ 現在はタナゴの保護のために通水している。以前は田圃で水を使わない時期は水が流れていなかった。
○ 水位が下がったときに警報を出す装置の設置も考えられる。
○ 大がかりであり、実際にできるとしても来年度予算をとってという話になる。現実的な対応としては深みを作ることではないか。
○ 生息地を分散させる必要があるが、並行して行うのがよい。

(3) 岡之郷用水の魚の減少について
○ 農業用水では、これまでも年に数回の水切れがあったが、それでも魚は残ってきた。最近は、他の魚を含めて少なくなってきている。
○ 魚の減少には下流部が三面コンクリート化された影響があるのではないか。下流に流される前のところに深みを作れば良いのではないか。
○ 大水の時に魚を止められる場所がなくなったのも魚が減った原因ではないか。

(4) マツカサガイについて
○ マツカサガイの減少の原因について考えられることはあるか。
○ カワニナも減ってきている。
○ マツカサガイが移動できる距離はどのくらいか。
○ グロキディウムが流下するのは200mくらい。魚に付いて上流へ行くことが多い。ハゼ科の魚は大きな段差も越えることができる。
○ 上流のマツカサガイの生息地がなくなったので、今後下流への影響も考えられる。

(5) その他
○ 今日放流したヤリタナゴは飼育していたものなので、上から見られることに抵抗がない。(鳥による食害が心配)

(以上)