20年度着工目指す(かんな川水辺の楽校)

整備計画の素案提示


 藤岡市本郷地内で「かんな川水辺の楽校」の整備を計画している国土交通省高崎河川国道事務所および藤岡市は29日、3回目となるかんな川水辺の楽校協議会(掛川優子)会長=カワゲラの会会長、河川環境保全モニター)を藤岡市役所防災センターで開催し、整備計画についての素案を示した。現状保全を基本コンセプトとし、神流川左岸の7・2q付近から8q付近までの間を対象にエリアを水辺ゾーン、河畔ゾーン、湿地環境ゾーンに分け、整備を実施していくことなどを盛り込んだ。今年度は、施設設計を含んだ測量設計を実施する計画で、発注形態などの詳細は内部で検討している。注目される着工については、20年度から2か年で進めていく。現在、20年度当初予算へ概算要求を行っており、詳細な整備内容については、年度内に2回の会合を開き、具体的な整備メニューを定め、22年度の開校を目指す方針だ。
 
 かんな川水辺の楽校整備事業は、地域の市民団体や教育関係者、地元行政および河川管理者が連携し、地域一体となり安全に自然体験活動や環境学習の場となる水辺の整備を実施していくもので、文部科学省、環境省、国土交通省の3省が連携して進めているプロジェクト。水辺の楽校は全国で249か所、関東で37か所、関東では5か所登録・整備されており、烏川・神流川では初めての整備となる。
 地域の市民団体や教育関係者、地元行政、河川管理者などで構成され、整備手法や方向性を検討する「かんな川水辺の楽校協議会」は、昨年12月4日に発足し、今年2月26日に開催された第2回目となる協議会では、整備に関する要望や課題などを議論した。第3回目の協議会は、今月29日に開催され、現況の多様な河川環境を活かし、安全に自然体験および環境学習が出来る場をコンセプトに、エリアを水辺ゾーン、河畔ゾーン、湿地環境ゾーンに分け、整備を進めていくことなどが示された。
 それによると、水辺ゾーンの瀬および渕は、多様な水域環境に生息する魚類や水生生物が観察できるゾーンとし、レキ河原については、河原植物などレキ河原特有の河川環境を観察できたり、水深の浅い水辺で水遊びができるゾーンとする。水辺ゾーンには、水辺に安全にアプローチできる親水階段や環境学習のためのレクチャー広場、各ゾーンを結ぶ散策路およびハリエンジュなどの間伐のほか、緩流に生息する水生生物を観察できる細流を整備していく。パークゴルフ場やゲートボール場の南側の河畔ゾーンは、河畔林の中で鳥類や陸上昆虫などの生物を観察したり、ハリエンジュの伐採木を使った遊びが出来るゾーンとして、散策路や階段、環境学習のための広場のほか、ハリエンジュなどの間伐を実施する。ゲートボール場の上流側のヨシ原、池などからなる湿地環境ゾーンについては、現状を保全しつつ、水鳥や魚類、水生昆虫および湿性の植物などの自然観察ができるゾーンとして、観察路や観察場を設置し、堤防部には階段や坂路を整備する。トイレや多目的室、看板および木道、水飲場、駐車場などの整備については、今後協議していく。
 今年度は、施設設計を含めた測量設計を実施する計画で、詳細については内部で検討している。今後のスケジュールは、今年11月〜12月頃に具体的な整備内容が盛り込まれた整備計画案を協議会で議論し、20年2月〜3月頃に開催する協議会では、整備計画の策定や今後の計画課題および今後のスケジュールについて議論していく。注目される着工は20年度の着手を目指し、20年度当初予算へ概算要求を行った。維持管理体制や仕組みづくりの検討については20年度以降になりそうだ。
 整備計画はリバーフロント整備センター(東京都千代田区一番町8電話03−3265−7121)が担当した。