群馬県下に残る在来種のタナゴ類は藤岡市のヤリタナゴのみになりました。ヤリタナゴはマツカサガイを産卵母貝としていて、いずれも県版レッドデータブックでは最も上位にランクしています。
藤岡市教育委員会では平成12年7月1日に「ヤリタナゴ・マツカサガイ・ホトケドジョウ」天然記念物に指定しています。
ヤリタナゴの主な生息地は笹川とその下流の岡之郷用水です。
一方、マツカサガイは笹川の最上流部、湧水がある田園地帯に県下有数の生息地がありましたが、ほじょう整備が計画されました。ヤリタナゴの個体数維持のためにはこの産卵母貝のマツカサガイ保護が不可欠です。広く市民にこの事実を周知して関心を高め生息地を保全するため、平成14年4月14日に ヤリタナゴフォーラムを開催しました。この後、土地改良区から貴重種生息に理解がえられ、ほじょう整備区域内に環境水路が作られました。
ヤリタナゴは、個体数が増加しています。ヤリタナゴ生息数の推移(ヤリタナゴ調査会)
マツカサガイは、個体数推移を見守っているところです。心配です。
その後。
定期的な保護作業を続けてきました。
増減を繰り返しながら、全体的には個体数は増加し、2009年3月春の退避作業では1926尾確認されました。
しかし、翌年2010年同作業時には、368尾の確認と激減し、そのご2011年は189尾、本年3月は66尾と減少しています。
同時にマツカサガイについても死んだ殻が多く見つかるようになってきました。
特に今年春の作業時には、まだ若いマツカサガイの死んだ殻も数個見られました。
今までにはほとんど見られない、これから繁殖に加わるはずだった貴重な個体です。
原因は特定できていません。心配な状況が続いています。(2012,3,15)
・生息数激減のためヤリタナゴ観察会は2012年は行えず、ヤリタナゴ放流の集いを行いました。
・翌2013年からヤリタナゴの個体数に増加傾向が見え、ヤリタナゴ観察会も再開しました。
・2015年11月1日、圃場整備工事による農業用水路の通水停止によるヤリタナゴたちの回収移動作業。 |