かんな川水辺の楽校で学ぶ生物多様性

 小 西 浩 司 

 
日本ビオトープ管理士会 1級ビオトープ計画管理士
 
 
生物多様性」とは、生態系、種(種間)、遺伝子(種内)の3つのレベルの変異(バリエーション)をいう、
広い概念です。

@「生態系の多様性」とは、海洋、沿岸、湖沼、河川、草原、森林など、様々なタイプの生態系が存在すること。

A「種の多様性」とは、
未知のものを含めると約3,000万種とも言われるほど数多くの動物や植物が生息・生育していること。

B「遺伝的多様性」とは、
地域によってゲンジボタルの発光周期が異なったり、ナミテントウには様々な斑紋があるように、同じ生物種の中でも遺伝的に違いがあることをいいます。
生物多様性は私たちの生命と暮らしを支えてくれる、とても重要なものです。

 かんな川水辺の楽校には、川や河原、草地や林などにたくさんの生き物が見られます。
生物多様性を知ることの第一歩は身近な自然を知ることです。
かんな川水辺の楽校で楽しく自然と遊びながら、生き物についての知識を増やし、生物多様性保全について考えてみましょう。

  
 写真1 遺伝的多様性の例 ナミテントウの斑紋
     同じナミテントウでも遺伝子の違いにより、様々な斑紋の種類がある。



 
 写真2  水辺の学校でもよく見られるハグロトンボは、幼虫の時には水生植物が多い緩やかな流れの場所に棲息し、羽化後の若い個体は水辺を離れ、林など薄暗い場所で生活する。そして、成熟すると再び水辺に戻って繁殖を行う。このように多くの生き物は一生の間に異なった空間を利用するので、棲息空間を結ぶネットワークは重要である。



 
 写真3 かんな川水辺の楽校は、身近な自然と楽しく遊びながら知識を増やせる場


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