かんな川水辺の楽校便り
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第1回研修会 植生研修会 1−3
造成された礫川原にカワラバッタ(県・絶滅危惧T類)を確認!

せせらぎ水路のクレソン駆除

 せせらぎ水路のクレソンは抜き終わりました。カワヂシャは、せせらぎ水路で18ヵ所生息していました。下流部左岸に14カ所、右岸に2ヵ所、上流部左岸に2ヵ所でした。
 作業は一人手作業で6月5月〜6月8日の間で延べ5時間で終了しました。考えているよりやってみたほうが早いことがわかりました。
 今後は、まだ根が採りきれず残っているので、定期的に行う必要がありますが、小さなうちに抜き取れば、水路全体を1時間で終了できると思われます。

 クレソンがなくなって広々したせせらぎ水路。抜いたクレソンは岸に上げてあります。梅雨に間があるので、乾いて枯れることを期待です。  河床(水中)に残っているクレソンの根。大株になっていたものの根は砂をかんで広がっていて、なかなか取りきれません。
画像をポイントすると根が拡大します。

礫川原のナヨクサフジとカワラバッタ

 せせらぎ水路の左岸礫川原は造成された場で、ナヨクサフジが広がっています。施設内の他の場所では見られません。
抜くのは力が要りそうでしたが、広範囲に広がった株でも、根の元を探して抜けば簡単でした。ただ、ほかの植物に巻きついた株はそう簡単には抜けません。やはりこれも、小さなうちにこまめに抜き取ることが必要のようです。
 この川原は作業時間は、一人で1時間で終わりました。
カワラバッタを作業中に確認しました。転石の多い礫川原に生息するバッタ。群馬では絶滅危惧T類指定です。推進協議会で松村委員から、隙間の詰まっていない礫川原があればカワラバッタが戻ってくる可能性があると伺っていました。 まだ翅も羽も小さく幼虫のようです。この場で生まれたのでしょうか。ナヨクサフジが礫を覆って繁茂する環境は好まないことでしょう。抜いてよかった。カワヂシャとカワラバッタにがんばってくださいと言われているようです。
 
 農業用水をせせらぎ水路より下流に流し込むために作られた水路の周りには、大きな群落になっています。
ここはマムシでもいそうで、躊躇、です(写真 下の右)。

 カワラバッタ(県・絶滅危惧T類)を確認!
 ナヨクサフジを抜いていたら、白っぽいバッタがいました。これが松村委員から聞いていたカワラバッタ。転石の多い河原環境に生息礫がわらを覆うナヨクサフジはやはり抜いたほうがいいようです。 抜いたナヨクサフジの1/3量。このままではこの場所に根づきそうなので、親水階段の端に広げて干してきました。  下流側に残っている群落。農業用水路の流入口が下流に伸ばされています。せせらぎ水路の右岸側で在来の川原には小さな株が1本生えていたのみでした。

 今回、植生研修会で大森先生の講義により、クレソンとナヨクサフジの進入とその在来種に対する影響を知り、駆除することができました。また作業中に在来種で絶滅が危惧されているカワジシャとカワラバッタの生息を確認しました。それを知らずに放置しておけば、それら希少種の生息環境を脅かしていたことと思われました。 
 外来種は、工事による撹乱後の環境を好んで進入してきます。このことは明らかになっていることでした。
 植生研修会とその後の外来種駆除作業を通じて、これからの工事施工は、完成後の植生について(外来種の進入)留意し、本来の植生に誘導することを含む必要があるのではないでしょうか。それをしなければ、気がついたときには外来種が繁茂し、希少な種がいたとしても生息できない環境になってしまうことが想像できます。
 このことは、水辺の環境学習の場ということにかかわらず、必要と考えるものです。(10.6.12 掛川)


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