藤岡の魚と遊ぼう  やりたなごの会              やりたなごの会 本文へジャンプ

2014・ホナガカワヂシャVeronica × myriantha Tos. Tanaka


左からカワヂシャVeronica undulata、ホナガカワヂシャVeronica × myriantha Tos. Tanaka、オオカワヂシャVeronica anagallis-aquatica。
2014年5月15日、環境水路で、環境水路(上流部約250m)の中にカワヂシャ32株、ホナガカワヂシャ14株、オオカワヂシャ13株を確認しました。 
ホナガカワヂシャの確認は初めてでした。 


2013年よりオオカワヂシャの抜き取りを行っているので、オオカワジシャは減り、カワジシャが増えていました。
しかし、両種とは明らかに違うカワジシャが見られました。特徴としては、花はカワジシャより大きく目立つが、オオカワジシャよりは小さい。葉は、両者の中間くらいのおおきさで、花つき間が長く、カワヂシャやオオカワヂシャと違いすっきりとした立ち姿でした。両種の交雑種ホナガカワヂシャと思われ、自然史博物館の大森先生に画像を送り問い合わせたところ、ホナガカワヂシャであるとの以下の回答をいただきました。
 群馬県立自然史博物館・大森です。3種はご指摘の通りでよいと思います。
ホナガカワヂシャの特徴は、オオカワヂシャより花が小さく明らかに青紫色がかかることと、結実しないのでいつまでも際限なく花序をのばし続ける点にあります。
ホナガカワヂシャもオオカワヂシャとカワヂシャの雑種で、種子稔性は低いとはいえ、仮に種子が形成されるとオオカワヂシャの遺伝子がカワヂシャに流入する原因になりえます。花が赤紫色を帯び、花がカワヂシャより少しでも大きいものはオオカワ、ホナガの区別なく抜き取った方が無難だと思われます。」

 

  • カワヂシャ:環境庁レッドデータブックに準絶滅危惧として掲載されており,近年減少している植物のひとつとされている。
  • オオカワヂシャ(大川萵苣)ゴマノハグサ科クワガタソウ属の多年草。草丈は1m近くになる。茎は直立し、葉は長楕円形〜披針形。花は葉腋に穂状の花序を出し、赤紫色の大きな花を多数つける。花期は5〜6月。川岸や田や溝に生育し、群落を形成する。 ヨーロッパ〜アジア北部原産。在来種のカワヂシャに比べ大きいのでオオカワヂシャ(大川萵苣)の名がある。在来種のカワヂシャと雑種を形成することが判明したので特定外来生物に指定された。
  • ホナガカワヂシャ:1994年に田中俊雄によってカワヂシャとオオカワヂシャの2種が混生する場所に雑種が発見され、1995年にホナガカワヂシャとして記載された。

- 農業環境技術研究所-外来植物図鑑www.niaes.affrc.go.jp より

2014年5月20日オオカワヂシャが大繁殖していたこの環境水路。抜き取り作業により、在来のカワヂシャが増えましたが、
交雑種のホナガカワヂシャも生えていました。
 
    3種の葉。
  • 左:カワヂシャ。葉の縁には鋸歯が目立ち、細長い。
  • 中央:ホナガカワジシャ。両者の中間。
  • 右:オオカワヂシャ。葉の縁には鋸歯が目立たず、幅があり大きい。
   * 「環境水路の作業日誌2015.5.2」も参照ください。
     3種の違いが分かりやすいです。
 
  

   a:カワヂシャ(在来種)
 
 b:ホナガカワヂシャ(交雑種)   c:オオカワヂシャ(特定外来生物

2014年7月20日 除草作業
5月15日後、3回の除草作業でオオカワヂシャは生えていませんでしたが、ホナガカワヂシャだけはまだ数本残って花も咲いていました。


    分かりずらいですが、中央で横になっている茎が、ホナガカワヂシャです。倒れても、頭を上げてまた天に向かって太く伸びていました。
茎や葉の付け根からどんどん根が生えていました。      
   ホナガカワヂシャ。他の2種との見た目の大きな違いは、茎が真っ直ぐ立っていること。花つき間が長く、すっきりときれいに見える。(5.20撮影)
   
 倒れると茎のどこからでも生えるのか、
茎の周りにぐるりと発根している。 
    茎の周りを輪になって生えている根もありました。
 芽も出ているようです。
 
この日、畔の草刈りをしていた地元の方2名から、マムシが出るから気を付けるようにと注意がありました。
現在は水路のり面や周りの草もかなり茂っている状態で、万が一マムシがいても気を付けようがないので、
マムシのシーズンが終わるまで、作業は休むことにしました。

これからは、雑草が大きくなる前の秋から春までの間、抜き取ることにします。