かんな川水辺の楽校便り
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 ワンドものがたり1 コカナダモ駆除県内要注意外来種)
 2011年11月28日。 野鳥観察終了後、ワンドの環境整備を行いました。
運営協議会メンバーに加え、ヤリタナゴ調査会、ヤリタナゴを守る会、高崎河川国道事務所から応援いただきました。
 新設されたワンド。春はまだ、かんな川水辺の楽校の一番奥でひっそりと存在していましたが、現在は小さな魚たちが行き来しにぎやかです。
春の植生研修会で懸念された外来の植物の内、県内要注意外来種コカナダモも進入しています。
一気に繁茂したコカナダモ絨毯にイトトンボが止まり、ハバヒロカマキリが歩いていました。
 この日は、そのワンド中に進入したコカナダモの駆除作業です。本線はいたるところコカナダモやクレソンがのびのびと繁茂しており、いろんな生き物たちが利用している様子が見られます。これはもう、このままでいいでしょう。
 でも、水辺の楽校の中に新設されたワンドは、在来の水草が見られるようにしてみようと、この日の作業となりました。

 オイカワの稚魚。ワンドの中、コカナダモの茂みの中をいたるところ泳いでいます。 いくら抜いても切りがないと思われるほどコカナダモ。あきらめず定期的に作業をしていくことが必要のようです。
       
 ワンドものがたり (つづく)

 

   
 2010年4月4日。ワンドを上流から見たところです。周りと3mほど高低差があり、最初に見たときは、ずるずると落ちてしまいそうな大きな蟻地獄に見えました。手がかかりそうな予感。  8月17日。直径が2mから3m程度の円形に広がっている水草が2株ありました。 
 
大森委員に問い合わせたところ、「コカナダモ(群馬県要注意外来生物)です。特徴は、1) 葉は節ごとに3〜4枚輪生する、2) 葉はプロペラ状にねじれ、線形で鋸歯は目立たない。よく似ている種に在来のクロモがありますが、そちらは葉は5〜8枚輪生し、目だった鋸歯があります。葉の形も先端に向けて徐々に細くなる披針形になります。」
早いうちに 抜き取ろうと入ってみると、水中はコカナダモでいっぱいでした。アゼン。水面で反射して、水中は見えていなかったのです。
 コカナダモ、とうとうきたかといった感じ。
  
  
その中に3株だけ別種の水草がありました。
大森先生、何でしょう?
「在来種・エビモです。完全な止水よりもゆるやかな流れがある場所に多い水草で、真夏に休眠芽を作って休眠する性質があります。」 在来種のエビモでした。ヤッタ!何とかこのエビモが根を伸ばせるようにしてあげないと。 
   
 トウキョウダルマガエル。抜いて岸にあげたコカナダモの上にいました。  キタテハ。パンの袋を開けたらすぐやってきて、袋の中に吸収管 を伸ばしました。驚きました。    足跡。水鳥でしょうか。ちょっと大きいです。


 作業を終えて

 困り者と思っていたワンドですが、ずいぶん生き物たちの役に立っている様子が、明らかに見えてきました。
やはり川辺にあったほうがいい環境のようです。
この日行きかう魚たちを見た参加者から、「このワンドはすばらしい!」というファンができました。よかった。
 外来植物。ここまで広がっているとその存在に意見はいろいろです。
かんな川水辺の楽校に大勢すんでいるカワラバッタ。激減の原因は礫川原の減少が主でしょうが、
餌としてきた在来の植物が外来種の進入により少なくなってきたこともあるといわれます。
せせらぎ水路とともに、見守っていくことにしましょう。
 次回作業は、春の予定です。
応援いただければ、大変助かります。


 整備以前の同地点

 

 整備以前の同地点。小さな湧水の池があり、オニヤンマなどがいました(上流に向かって写した画像で、本線は左)。
最初の計画ではこのまま残すはずでしたが、207年台風9号で流路が変わり、この池も流れてきた土砂で埋まってしまいました。
それで計画を変え、ワンドができました。
本線が増水し流れが激しいときでも、ワンドはいつもと変わらずゆったりとしています。
 大小の魚たちが群れています。
コカナダモを抜くために手を入れると、今もまた底から水の湧いているのがわかります。
 いつかまたこの写真のように子供たちが遊びにきてくれるでしょうか。
 

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