2010年8月21日(土) 公民館主催
神流川調査観察教室
2012
会場:かんな川水辺の楽校・美九里公民館

 本事業は、カワゲラの会が藤岡市から委託されて行いました。

  バナー  

夏休みの水生生物生物観察会に、講師として参加して7年になります。
今年は調査河川をかんな川水辺の楽校に変へ、あらたに水産試験場の協力も得て、8月21日に行われ、無事終了しました。
 魚や水生昆虫、石についているヌルヌルの中の珪藻。
 流水の世界の生き物たちを、みんなで観察することができました。




○午前の部 簡易水質調査と生物の採集(かんな川水辺の楽校でAM9:00〜)

パックテストを使って水質を測定。水をバケツに汲んで、吸い込みます。時間がたったら基準色と見比べます。結果はCOD2〜3、pH7.5でした。  
珪藻採集方法の説明。歯磨きで石に付いてる茶色のヌルヌルをこすって、ポリビンに入れて試料を作ってください。
「この石がいいのでは?」「どれどれ!」 「石を持ち上げると、下にはずいぶん虫も付いてる!」
次は、水生昆虫の採集の説明。「網を川底につけて、その上流を足でゴソゴソすると、川虫が網に流れ込んできます。」
ヒゲナガカワトビケラ。水生昆虫については、こちらをどうぞ。
「はい、川虫が入りました」「どれどれ、ナニナニ」
「魚の取り方の説明をします。あちらの本流のほうがいろいろいます。」(市勢要覧の撮影のため、せせらぎ水路で説明)  採取した魚は水槽に分け、現地で名前を調べました。 コイ。恨めしそうな顔に見えます。このあと、川に戻しました。
  
午後の部 生物の観察(美九里公民館でam11:00〜)昼食は恒例のやりたなごの会メンバー用意の焼きそばをみんなで食べました。
会場には4つのコーナーがあり、全部回って、魚と水生昆虫と珪藻の名前と絵をひとつづつ書くことになってます。  
     
 かんな川水辺の楽校について、協議会事務局長から説明がありました。 左上コーナーは魚のうろこから年齢を調べます。
右上コーナーは珪藻プレパラートを作ります。
右中央は、自分でつくったプレパラートを検鏡するコーナー。手前は、デジタル顕微鏡で生の珪藻試料をみます。隣に水生昆虫コーナーがあります。→ 
 採集してきた水生昆虫で、水質を調べましょうコーナー。本観察会は平成20年から群馬県水生生物調査に参加しています。
     
永久プレパラートのつくり方。「ポリビンに入れてきた珪藻をカバーグラスに一滴のせホットプレートで乾かす。乾いたら、封入剤を載せたスライドグラスの上にかぶせ、焼きます。封入剤の泡が小さくなったら、焼きあがり」(参考:都環境保全局ケイソウハンドブック  みんな自分の採取してきた珪藻で、説明どうりに作業してます。ラベルを貼って完成。みんな上手にできました。  顕微鏡の操作の説明。
生の試料も見ておいて、プレパラートを見てみたら、くっきりクリアに見えるようになりました。 
     
観察会で作成したプレパラートで撮影。
長短の帯状群体はウルナリアUlnaria pseudogailloniiとフラギリアFragilaria capucina。
ビドゥルフィアBiddulphia laevisの丸い殻面と四角い帯面も見える。生物顕微鏡10x40。 
デジタル顕微鏡で見た画像。
イトマキケイソウ属 ビドゥルフィアBiddulphia laevis が多くみられる。560倍。試料はクリーニングしたもの。
参考文献:日本淡水生物学・小林弘珪藻図鑑第1巻・やさしい日本の淡水プランクトン。 
 観察のまとめ。
印象に残る名前や絵を描いています。楽しいまとめになりました。鉛筆書きなので薄いのも多いですが、紹介します。 原画のまま、希望者のみ順不同です。


 *観察会が終わって

  今年も参加した皆様と一緒に賑やかな観察会が無事終了しました。調査河川が昨年までの鮎川と変わり、今年は珪藻をよく観察することができました。

特に珪藻で今まで神流川で報告のなかったウルナリアUlnaria pseudogailloniiとビドゥルフィアBiddulphia laevisが観察でき、個人的には感激しています。
ともに超大形の種で、観察会向けに顔を出してくれたのでしょうか(^^♪。
 
指導者としてヤリタナゴ調査会、珪藻研究会、カワゲラの会に加え、群馬県水産試験場、蚕糸園芸課からも参加いただきました。放送大学生物研究会、鴻巣の環境を考える会にも応援いただきました。毎年指導に来てくれた高専生の皆さんは社会人や大学生になり忙しくなりましたが、神田さんが参加してくれました。昼食の焼きそばはヤリタナゴを守る会が今年も担当してくれました。

 観察会で使用している顕微鏡は、解像度が高くないと感動度も薄れますので、放送大学前橋学習センターからお借りしました。オリンパスとニコンの生物顕微鏡4台と実体顕微鏡2台です。
 興味を持ったらすぐみられるように、市内に観察できる設備を持った施設があるといいですね。
(k

 (2003〜2009)夏休み・鮎川の生き物調べ  2010公民館配布案内(PDF529KB) 2010案内  観察された生物リスト(作成中)


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