かんな川水辺の楽校便り
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第1回研修会 植生研修会 10.5.29

 整備の完了したかんな川水辺の楽校施設内の植生について、5月29日に運営協議会委員対象の研修を行いました。
 講師は大森 威宏委員(県立自然史博物館学芸員)にお願いしました。
 参加者は、委員6名、高崎工事事務所1名、県蚕糸園芸課1名、一般1名の計9名でした。 
 かんな川水辺の楽校の施設整備は、植生については、ハリエンジュ(ニセアカシア)はすべて伐採、直径50c以上の樹木は残す方針で行われました(高崎工事事務所施設見学会での説明10.5.15より)。
 ハリエンジュはその繁殖力から高水敷で樹林化し、他種を絶滅させ河畔生態系の多様性を衰退させること、さらに河床低下を進行させ礫床本来の環境を悪化させるなど、環境面でも問題となっています。
 研修は、現地施設内を歩きながら、大森講師に説明を伺う形で行われました。
           
 研修終了後、運営協議会を開き、規約の改正が承認され、事務局の所在が藤岡市建設部土木課と明記されました。また、新入会についての規約も追加され、小西委員(県水産試験場)が正式に入会となりました。よろしくおねがいいたします。  (グットぐんま「かんな川水辺の楽校」で植生勉強会)   
 
せせらぎ水路  ワンドゾーン

       
結    果 ( 概 要 )

草本、木本ともに県内危険外来生物、要注意外来生物が確認されました。
また、カワジシャ(絶滅危惧2類・群馬県指定)が確認されました。
昆虫では、アオハダトンボ(絶滅危惧2類・群馬県指定)が確認されました。
 講師により「造成による撹乱後の川原は、外来種が繁茂しやすい環境となっている。今後は外来種の進入に留意し、順応的対処が必要である」とお話がありました。

確認された主な木本

・在来種−ネムノキ、ムクノキやエノキの大木、多数のアカメヤナギの幼樹などをを確認しました。
・外来種−ニワウルシ、ハリエンジュを多数確認しました。
ニワウルシはニガキ科でウルシの仲間ではなく、大正時代に養蚕飼料として導入されたものです。
ハリエンジュも残った切り株から勢いよく芽吹いていました。
・群馬県ではハリエンジュは要注意外来生物、ニワウルシは県内危険外来生物に指定されています。


確認された主な草本

在来種−カワヂシャが少数ですが、クレソンの中に確認されました。
外来種−クレソン、ナヨクサフジ(県内危険外来生物)、エゾノギシギシ(要注意外来生物)などが確認されました。
クレソンはせせらぎ水路沿いにびっしりと生えています(造成後、すぐ生えていました)。カワジシャと生息場所が重なっています。
 ナヨクサフジは
せせらぎ水路右岸側の造成された礫川原に多数確認されました。
・群馬県ではナヨクサフジは県内危険外来生物、エゾノギシギシ要注意外来生物に指定されています。
 「群馬県の絶滅のおそれのある野生植物リスト」「群馬県の植物レッドリスト」
 「群馬県内で確認された特定外来生物・要注意外来生物等(植物)(2007年)」

ワンドゾーン

 ワンドゾーンは、上流側・右岸側面の傾斜がきつく、裸地状態のため、崩れたり滑り落ちる危険が、施設説明会(10.5.15)でも考えられました。しかし、この環境を利用しているコイや稚魚、産卵するカワトンボもみられたことから、今年度は植生の推移などの様子を見ようということになっていました。
 今回、植生面からも、側面の傾斜角が急なことから植物が生育することは考えずらいこと、天端に生えている樹木は根が切られていることから枯れる可能性があることが指摘されました。
 また、ワンドはミズヒマワリ(特定外来生物など外来種の温床になる可能性が高いので、今後の推移について注意を要することが指摘されました。

研修会を終えて

せせらぎ水路では、 クレソンとカワヂシャの生息場所が重なっていることが確認されました。エゾノギシギシも確認されました。
ワンドには、ヨシやガマが生えることが望まれるが、ミズヒマワリなどの外来種の温床になっている例が多いそうです。「水辺の外来種を見るなら〈かんな川水辺の楽校〉へ!」にはしたくないものです。
対策を考える必要があります(続 く)

 

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