川場村は群馬県の中北部で上州武尊山(2,158m)の南麓に広がる村です。
村の特徴として、豊かに噴出する湧水が挙げられ、この湧水は、武尊火山噴出物中を流下した地下水が火山噴出物の末端(山地の縁)、段丘面の縁に沿って点々と湧出しているものと考えられます。村内で田の用水として利用される他に、各所に井戸が設置されるなど、川場村の穏やかな農村景観をかもし出しています。
2010年10月に水生昆虫談話会の例会がありました。中段で紹介しているミネトワダカワゲラScopura montanaはそのエクスカーションで確認されました。
エクスカーションに「湧水」とリクエストがあり、私は何度か採集してミヤマウズムシしかいないと思っていたのですが、「湧水には希少種がいます」とのことで、ご案内したところ、
「いた!」。さすがです。アカハライモリとトワダカワゲラが普通にいました。川場の認識を改めました。
|
|
|
|
湧水を引いている棚田。田越灌漑。 |
これは門前の湧水。 |
谷地不動様の湧水 |
桜川にかかる橋。袂に庚申塚がありました。 |
|
|
|
キタガミトビケラ Limnocentropu sinsolitus 。桜川ではよく見ます。大きなのは迫力あります。 |
桜川から引き込んでつくられた小川に もこんなにたくさんいました。まだ小さくてかわいいです。 |
ムラサキトビケラEubasilissa regina。玉原の沼で見かけてから2回目。ギョッとする存在感。 |
|
|
|
ニッポンナガレトビケラRhyacophila nipponica
|
レゼイナガレトビケラR. lezeyi。成虫は採れていないので、確定ではないですが。川場では、トワダとともによく採れます。 |
クレメンスナガレトビケラR. clemens.
頭にV模様って、結構いますね。 |
|
|
|
クロバネトビケラ属Moropsyche sp.
湧水にいました。ちいさいです。
|
ホタルトビケラ属Nothopsyche sp. NA まだ幼生ですが、顔の斑紋はすでに歌舞伎の隈取風。筒巣と色がマッチしてます。 |
ミヤマイワトビケラ属Plectrocnemia sp
顔にドット模様があるのです。 |
|
|
|
シロフツヤトビケラParapsyche sp.
成虫の翅に白い斑があってつやのあるトビケラ。幼虫は大形の毛が太いシマトビといった感じ。 |
シロズシマトビケラHydropsyche albicephala
ウルマ-シマトビケラH. orientalis 目の周りの白い斑紋の形で見分けます。 |
マルバネトビケラPHRYGANOPSYCHIDAE gen.sp. 成虫の羽が丸いのでこの名前です。成虫でなければ種はわからないのです。そういうのけっこういます。 |
|
|
|
ノギカワゲラCriptoperla japonica 。まだ小さくて鰓がなかなか見えないのです。鮎川で15年ほど前に見て以来です。 |
スズキクラカケカワゲラParagnetina suzukii。で、いいでしょうか。あまり見ません。 |
クサカワゲラ属Isoperla sp. トワダクサカワゲラIsoperla towadensisの成虫が同所で捕れたそうです。どこでもよく見ます。 |
|
|
|
ミネトワダカワゲラ の成虫。はじめて! |
|
ミドリカワゲラCHLOROPERLIDAE gen.sp. |
|
いた!そこにペアが!里山の棚田脇でミネトワダを見つけ驚きました。湧水の流れる用水路です。 |
ミネトワダカワゲラScopura montanaのペア。
ひっそり展示室さんにクリアな画像があります。 |
ミネトワダカワゲラ の羽化直後でしょうか。
「間違いです。トビケラの蛹で,まさにこれから羽化しようとしているところです]11.7.2トビケラの野崎さんから訂正いただきました。そういえばカワゲラは不完全変態で蛹なし(汗) |
|
|
|
フタスジモンカゲロウEphemera japonica
泳ぐ姿は、鰓がヒラヒラして優雅です。 |
キョウトキハダヒラタカゲロウ Heptagenia kyotoensis
糸を集めたような鰓が特徴でしょうか。 |
トビイロカゲロウ属Paralepttophlebia sp.
トビイロカゲロウの糸状の鰓を拡大。 |
|
|
|
|
上:クロバアミカ Bibiocephala infuscatainfuscata
神流川でも冬にはよく見ました。
下:トゲヤマトアミカAgathon longispinusは初対面 |
ハコネサンショウウオ。
手足の指が5本でツメがあるんです ! |
アカハライモリ 。群馬ではほとんど見られなくなりました。新治村の田んぼには普通。 |
ヒメゲンゴロウでしょうか。コウチュウは難しいです。コウチュウもですが...。(つづく)
|
画像は主に「掛川優子・神田茉希・川口佳姫等(2010) 群馬県川場村の珪藻と水生昆虫 / 群馬県川場村の珪藻と水生昆虫(2)に掲載したものです。
|